パッケージ評価用のFit/Gapシート
パッケージの比較は、機能一覧の○×を数えても判断できません。必須要件だけを対象に、標準機能で満たせるか、設定で対応できるか、開発が必要かを分けて評価し、ギャップを埋める費用と保守への影響まで含めて総額で比較します。その手順と評価項目をそのまま使える形にしました。
このページで分かること
- 評価記号の定義(○△×を先に決める)
- 必須要件だけを対象にする理由
- 機能要件の分類と確認項目
- 総額比較に含める項目
評価の手順
- 要件を「必須/あると良い/不要」に分類する(先に社内で合意する)
- 必須要件だけを評価対象にする
- 各要件を ○(標準機能)/△(設定・運用で対応)/×(開発が必要)で評価する
- ×と△について、業務側を変える案と開発で埋める案の両方を出す
- ×を埋める費用と、バージョンアップ時の影響を見積もる
- 5年程度の総額(ライセンス+改修+保守+運用工数)で比較する
評価記号の定義(比較表の凡例にそのまま使う)
- ○ = 標準機能で満たせる(追加費用なし)
- △ = 標準の設定・パラメータで対応できる(設定工数のみ)
- ▲ = 運用を変えれば回避できる(誰がその変更を決裁するか要記載)
- × = 標準では満たせない(アドオン開発または周辺システムが必要)
- - = 今回の対象外
機能要件の評価項目
生産・工程まわりの評価項目
- 生産方式(個別受注/繰返/見込/混在)に対応できるか
- 案件ごとに工程を変更できるか(テンプレートからの編集)
- 内示と確定注文を区別して扱えるか
- 仕様確定前の先行手配ができるか
- 工程実績の入力粒度(着手・完了/工数/不良理由)
- 負荷の可視化と、納期回答の根拠にできるか
- 手配替え・特急時の優先順位変更ができるか
受発注・見積・在庫・原価の評価項目
- 顧客品番と自社品番の読み替えができるか
- 価格の適用ルール(数量帯、期間、特価)を表現できるか
- 見積の版と提出履歴を残せるか
- ロット/シリアル単位の在庫管理ができるか
- 引当ルール(先入先出、ロット指定、予約)を設定できるか
- 有償支給・無償支給・預け在庫を区別できるか
- 実際原価を案件単位で集計できるか
- 配賦基準を自社の方法に合わせられるか
品質・設備・文書の評価項目
- 検査規格をマスタとして持ち、測定値を数値で記録できるか
- 規格の版管理と、適用開始時期の管理ができるか
- 不良・是正の記録と、再発検索ができるか
- ロットから出荷先を逆引きできるか
- 設備台帳・点検計画・故障履歴を管理できるか
- 図面・技術文書の版管理と検索ができるか
- 測定器・設備からのデータ取り込みに対応しているか
非機能・運用の評価項目
非機能・運用の評価項目
- 権限をどの粒度で設定できるか(項目単位/画面単位)
- 操作ログ・変更履歴の記録範囲
- 同時利用者数の上限とライセンス体系
- 提供形態(クラウド/オンプレミス)とデータの保存場所
- バージョンアップの頻度と、アドオンへの影響
- サポートの範囲・時間帯・費用
- データのエクスポート方法(全項目を出せるか)
- 導入支援の範囲(マスタ整備、移行、教育)
- 同業種・同規模での導入実績の有無
総額比較に含める項目
5年総額の比較項目
- 初期ライセンス費/サブスクリプション費
- 導入支援・初期設定の費用
- アドオン開発・カスタマイズの費用
- データ移行の費用
- 教育・マニュアル整備の費用
- 年間保守費(ライセンス保守/アドオン保守)
- バージョンアップ時の再改修の想定費用
- 周辺システム(現場入力、連携)の開発費
- 社内の運用工数(マスタ保守、問い合わせ対応)
- 追加拠点・追加ユーザーの費用
個別開発と比較するときも、この表の項目に揃えて比較してください。初期費用だけの比較は、保守と再改修の費用を見落とします。
ギャップの埋め方を先に決める
| 埋め方 | 向いている場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 業務を標準に合わせる | 競争力に直結しない業務 | 現場の合意形成と、誰が決裁するか |
| 設定・パラメータで対応 | 標準の範囲で吸収できる | 設定の複雑さが保守負担になる場合がある |
| アドオン開発 | 標準に近い小さな差 | バージョンアップ時の再改修が積み上がる |
| 周辺システムを個別開発 | 現場側の自由度が要る領域 | 連携設計と、正となるシステムの決定が前提 |
| 対応しない(運用でカバー) | 発生頻度が低い | 頻度と工数を記録し、後で再判断する |
よくある質問
- 評価はベンダーに記入してもらってよいですか。
- ベンダーの回答だけで判断しないでください。○の定義が各社で異なるためです。評価記号の定義を先に提示し、△・×については「どう対応するか」を具体的に書いてもらうと、比較できる回答になります。
- 必須要件が多くなりすぎます。
- 「無いと業務が回らないか」で判断してください。無くても運用で回るものは「あると良い」に落とします。必須が多いほど選択肢が減り、結果として高い構成になります。
- 個別開発とも比較したいのですが。
- 同じ必須要件リストに対して、個別開発の場合の実現方法と費用を出してもらえば比較できます。5年総額の項目を揃えることが前提です。
製造業向けのご相談
Fit/Gapの結果を持って相談する
評価の結果、×や△が残った要件を共有いただければ、業務変更で吸収できる範囲、周辺システムとして個別開発すべき範囲、連携の論点を整理してお返しします。評価の途中段階でも構いません。
Fit/Gapの結果を相談する初回の相談で契約を迫ることはありません。対象外と判断した場合はその理由をお伝えします。
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