製造業システムの要件チェックリスト

システム化の検討で漏れやすい確認項目を、業務範囲・データ・現場入力・外部連携・非機能・移行・運用・見積依頼の8分類にまとめました。社内の検討会や、複数社への見積依頼の前提を揃える用途を想定しています。各ブロックはコピーして、そのまま社内資料へ貼れます。

このページで分かること

  • 検討の初期に埋めておくと、見積のばらつきが小さくなる項目
  • 現場・情シス・経営で分担して確認すべき項目
  • 「決まっていない」ことを可視化するための使い方

使い方

  1. 各ブロックをコピーして、社内の検討資料(スプレッドシート等)へ貼る
  2. 「決まっている/決まっていない/確認が必要」の3段階で埋める
  3. 決まっていない項目を、誰がいつまでに決めるかを書き込む
  4. 見積を依頼するときは、埋まった内容を前提条件として各社へ同じものを渡す

すべてを埋めてから相談する必要はありません。埋まらない項目が多いこと自体が現状の把握であり、その整理から相談を受けています。

1. 対象業務と範囲

対象業務と範囲
  • 対象業務の開始点(どの伝票・指示から始まるか)
  • 対象業務の終了点(何をもって完了とするか)
  • 今回の対象に含めない業務(明示する)
  • 関係する部署と、それぞれの役割
  • 入力する人/承認する人/結果を見る人
  • 現在この業務で使っているツール(Excel、紙、既存システム)
  • 例外パターン(特急、分納、仕様変更、手配替え、返品、再検査)
  • 例外の発生頻度と、現在の処理方法
  • 締め処理(日次・月次で確定させる内容、遡及訂正の可否)

2. データ

データ(マスタ・取引・履歴)
  • 品番の採番規則と、保守する担当者
  • 取引先・仕入先マスタの正となるシステム
  • 工程・設備・作業者のマスタの有無
  • 取引データの粒度(1件の単位)
  • 訂正・取消の扱い(上書きか、取消記録を残すか)
  • 追跡単位(ロット/シリアル/製造日)
  • 履歴として残す範囲と保存期間
  • 原価・単価など、閲覧を制限すべき項目

3. 現場入力・端末

現場入力・端末
  • 入力する場所(事務所/現場/外出先/協力会社)
  • 使用する端末(PC・タブレット・ハンディ・既設端末)と台数
  • 入力方法(キーボード/バーコード・QR/RFID/設備からの自動取得)
  • 現場環境の制約(手袋、粉塵、油、照明、騒音)
  • 1件あたりに許容できる入力時間
  • 通信環境(無線の可否、通信が届かない場所)
  • オフライン入力の要否
  • 交代制の有無(教育対象の広がり)

4. 外部連携

外部連携
  • 連携先システムの名称・バージョン・保守ベンダー
  • 連携方式の可否(API/CSV/DB/EDI/メール取り込み)
  • テスト環境の有無
  • マスタごとの「正となるシステム」
  • 同期のタイミングと、許容できる遅延
  • 同期失敗時の扱い(再送/通知/手動取り込み)
  • 相手システム側の改修の要否と、費用の負担
  • 設備・PLCからのデータ取得の要否(対象設備の型式)

5. 権限・ログ・性能

権限・ログ・性能・可用性
  • 権限区分(誰がどのデータを見られるか)
  • 承認フロー(条件、代理承認の可否)
  • 操作ログ・変更履歴の記録範囲
  • 改ざん防止の要求(顧客監査・規格対応の有無)
  • 同時利用者数と、ピーク時(月末・繁忙期)の想定
  • 止められない時間帯/保守作業が可能な時間帯
  • バックアップと復旧目標(どこまで戻せれば業務が続くか)
  • アクセス経路(社内のみ/社外から/協力会社)

6. データ移行・切替

データ移行・テスト・切替
  • 移行対象のデータと年数
  • 既存データの品質(表記ゆれ、重複、欠損の有無)
  • 重複・表記ゆれを整理する判断者
  • 移行後の検証方法(件数、合計、抜き取り)
  • 移行しないデータの参照方法
  • テストに参加できる現場担当者
  • 切替方式(一斉/段階)と並行稼働の期間
  • 切替を避けたい時期(繁忙期、締め日、監査)
  • 旧運用へ戻す条件

7. 運用・体制

運用・体制
  • 社内の推進担当者(業務を説明できる人)
  • 意思決定者と、決裁のプロセス・時期
  • 稼働後のマスタ保守の担当
  • 障害時の連絡方法と、対応を期待する時間帯
  • 社内で対応できる範囲(アカウント管理、簡単な設定変更)
  • 教育の対象者と実施方法
  • 改善要望を受け付ける窓口

8. 見積依頼に含める項目

見積依頼書に含める項目
  • 対象業務と対象外の明示
  • 利用者数・拠点数・端末の種類
  • 連携先システムと方式、相手側の協力可否
  • 移行データの範囲と現状の品質
  • 非機能要件(権限、ログ、性能、保守時間帯)
  • 希望時期と決裁スケジュール
  • 見積の内訳区分(要件定義/開発/移行/テスト/教育/保守)
  • 見積に含まれない作業の明示を求める
  • 仕様変更時の扱い(単価、判断者)
  • 引き渡し物(ソース、設計書、運用手順)と権利の帰属

よくある質問

全部埋めないと相談できませんか。
いいえ。埋まらない項目が多い状態から相談を受けています。むしろ、どの項目が決まっていないかが分かっていることのほうが、初回の相談では役に立ちます。
他社への見積依頼に使ってよいですか。
使って構いません。特定の開発会社に依存しない形で作っています。複数社に同じ前提を渡すことで、見積の比較ができるようになります。

製造業向けのご相談

埋まらなかった項目から相談する

チェックリストで「決まっていない」となった項目を共有いただければ、先に決めるべき順序、決めるために必要な情報、社内の誰に確認すべきかを整理してお返しします。

決まっていない項目を相談する

初回の相談で契約を迫ることはありません。対象外と判断した場合はその理由をお伝えします。

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