システム開発とは?工程・手法・費用・依頼のポイントをわかりやすく解説

システム開発の基礎知識公開日:2025年12月19日最終更新日:2026年8月30日
徐 聖博
徐 聖博

株式会社シンシア 代表取締役社長

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  1. システム開発とは何か?まず定義を押さえよう
  2. システム開発と「システム構築」の違い
  3. システム開発とプログラミングの違い
  4. システム開発とソフトウェア開発の違い
  5. なぜ企業はシステム開発を行うのか
  6. システム開発の主な種類
  7. 業務システム開発
  8. Webシステム・Webアプリ開発
  9. 組み込みシステム開発
  10. スマートフォンアプリ開発
  11. システム開発の基本的な工程(フェーズ)
  12. ①企画・要件定義
  13. ②基本設計(外部設計)
  14. ③詳細設計(内部設計)
  15. ④実装(コーディング)
  16. ⑤テスト(単体・結合・システム・受入)
  17. ⑥リリース・運用・保守
  18. 上流工程・下流工程とV字モデル
  19. 開発工程の略語(RD・BD・UTなど)
  20. 開発期間の目安
  21. 工程別の期間・費用配分の目安(発注側が知っておくべき比率)
  22. 代表的なシステム開発手法の比較
  23. ウォーターフォール開発
  24. アジャイル開発
  25. ウォーターフォールとアジャイルの比較表
  26. スパイラル開発・プロトタイプ開発
  27. 内製と外注、どちらでシステム開発を進めるべきか
  28. システム開発の費用感をつかむ(相場の入り口)
  29. システム開発を外注する際のポイント
  30. 要件を事前に整理しておく
  31. 費用・納期・保守体制を確認する
  32. 開発会社の実績・得意領域を見極める
  33. システム開発を成功させる3つのポイント
  34. ①要件定義に最も時間をかける
  35. ②「任せきり」にしない
  36. ③小さく始めて段階的に広げる
  37. システム開発に関するよくある質問(FAQ)
  38. まとめ:まずは「何を解決したいか」の言語化から

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システム開発とは、業務上の課題を解決するために、要件定義から設計・実装・テスト・リリース・運用保守までの工程を通じてシステムをつくり上げる一連の取り組みです。 進め方はウォーターフォールとアジャイルに大別され、外注する場合の費用は必要な工数(人月)に単価を掛けて算出されます。最初にやるべきことは技術やツールの選定ではなく、「何を解決したいのか」を言語化することです。

この記事は、初めてシステム開発に関わる方・開発の外注を検討している発注担当者の方に向けた入門ガイドです。

この記事でわかること

  • システム開発の定義と、プログラミング・ソフトウェア開発との違い
  • 要件定義からリリースまでの6つの開発工程と上流・下流の考え方
  • ウォーターフォール・アジャイルなど代表的な開発手法の使い分け
  • 内製と外注のどちらを選ぶべきかの判断基準
  • 費用相場の入り口(人月単価の考え方)と、外注を成功させるポイント

システム開発とは何か?まず定義を押さえよう

monitor showing Java programming

Photo by Ilya Pavlov on Unsplash

システム開発とは、業務の効率化や課題解決を目的として、ソフトウェアやITシステムを設計・構築・運用する一連のプロセスのことです。 単にプログラムを書く作業だけでなく、「何を作るか」を決める企画から、完成後の保守・改善まで含めた広い概念を指します。この記事では、初めてシステム開発に関わる方に向けて、定義・種類・工程・手法・外注時のポイントを体系的に解説します。

システム開発と「システム構築」の違い

「システム開発」と「システム構築」は、会話の中でほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には少しニュアンスが異なります。

  • システム開発:要件の整理から設計・実装・テスト・運用まで、システムを生み出す全工程を指す広い概念
  • システム構築:設計や実装など、システムを「組み上げる」技術的な作業に焦点を当てた表現

実務の現場では両者を区別せずに使うケースがほとんどですが、「開発」のほうがプロジェクト全体を包括するイメージを持っておくと理解しやすいでしょう。

システム開発とプログラミングの違い

プログラミングは、システム開発を構成する工程の一つである「実装(コーディング)」を指す言葉です。システム開発には、プログラミングの前に「何を作るか」を決める要件定義・設計があり、後には「正しく動くか」を確かめるテスト、公開後の運用・保守があります。つまり、プログラミングは部分、システム開発は全体という関係です。発注者の立場では、プログラミング以外の工程(特に要件定義)にこそ関与が求められる、と理解しておくとよいでしょう。

システム開発とソフトウェア開発の違い

「ソフトウェア開発」は、アプリケーションやツールなどソフトウェア単体を作ることを指す言葉として使われます。一方「システム開発」は、ソフトウェアに加えて、サーバーやネットワークなどのインフラ、既存システムとの連携、運用体制まで含めた仕組み全体を対象とするニュアンスがあります。実務ではほぼ同義で使われることも多いですが、業務全体の仕組みづくりを議論する文脈では「システム開発」が使われる傾向があります。

なぜ企業はシステム開発を行うのか

企業がシステム開発に取り組む主な理由は次の4つです。

  1. 業務の効率化:手作業で行っていた集計・管理・連絡などを自動化し、人的コストや時間を削減する
  2. ミス・リスクの低減:人間が手入力する工程を減らすことで、入力ミスや情報漏えいのリスクを抑える
  3. 属人化の解消:特定の担当者しか分からない業務をシステムに置き換え、引き継ぎや退職のリスクを減らす。具体的な進め方は属人化をシステムで解消する方法の解説記事で詳しく紹介しています
  4. 競争力の強化:顧客向けのWebサービスやアプリを提供することで、新たな収益源や顧客接点を生み出す

システム開発の主な種類

three men sitting while using laptops and watching man beside whiteboard

Photo by Austin Distel on Unsplash

ひとくちに「システム開発」といっても、目的や対象によっていくつかの種類に分かれます。

業務システム開発

社内の業務を効率化するために作られるシステムです。代表例として、販売管理システム・在庫管理システム・人事・給与システム・会計システムなどが挙げられます。特定の業務フローに合わせてカスタマイズして作るケースが多く、導入効果が直接コスト削減につながりやすい点が特徴です。

代表的な業務システムの開発手順や費用感は、顧客管理システム開発の完全ガイド受発注システム開発の完全ガイドで個別に詳しく解説しています。

Webシステム・Webアプリ開発

ブラウザ(ChromeやSafariなど)を通じてインターネット上で動作するシステムです。ECサイト・予約システム・社内ポータルサイトなどが該当します。インストール不要で多くのデバイスから利用できるため、社外のユーザーにもサービスを提供しやすいのが強みです。

組み込みシステム開発

家電・自動車・医療機器など、特定のハードウェアに組み込まれて動作するソフトウェアの開発です。リアルタイム性や安全性が求められる場面が多く、専門的な知識が必要とされます。IoT(モノのインターネット)の普及とともに需要が高まっている分野です。

スマートフォンアプリ開発

iOSやAndroidなどのスマートフォン向けアプリを開発することです。ネイティブアプリ(各OSの専用言語で開発)とクロスプラットフォームアプリ(1つのコードで複数OSに対応)の2つのアプローチがあります。ユーザーの日常生活に近いところでサービスを提供できるため、BtoC(企業から消費者向け)のビジネスで特に活用されています。


システム開発の基本的な工程(フェーズ)

black computer keyboard

Photo by Fotis Fotopoulos on Unsplash

システム開発は、複数の工程(フェーズ)に分かれて進みます。各フェーズの役割を理解しておくと、外注先との打ち合わせや社内検討がスムーズになります。

①企画・要件定義

要件定義とは、システムに必要な機能や条件を整理するフェーズです。 「誰が・何のために・どんな機能を使うのか」を具体的に言語化します。ここで曖昧さを残すと、後工程で手戻りが発生しやすくなるため、開発全体の中で最も重要な工程の一つとされています。

  • 解決したい課題・目標の明確化
  • 必要な機能の洗い出し(機能要件)
  • 性能・セキュリティ・使いやすさなどの条件整理(非機能要件)

要件定義の具体的なステップや成果物は、要件定義の進め方を解説した記事で詳しく紹介しています。

②基本設計(外部設計)

要件定義で決まった「何を作るか」をもとに、システムの全体像を設計するフェーズです。画面のレイアウト・データの流れ・他システムとの連携方法などを定義します。ユーザーから見える部分(外部)の設計であることから「外部設計」とも呼ばれます。

③詳細設計(内部設計)

基本設計をさらに細分化し、エンジニアが実際にコードを書けるレベルまで仕様を落とし込む工程です。データベースの構造・処理ロジック・エラー時の動作などを具体的に定義します。

④実装(コーディング)

設計書をもとに、プログラマーが実際にプログラムを書くフェーズです。フロントエンド(画面表示)とバックエンド(サーバー処理・データ管理)に分かれて作業が進むことが一般的です。

⑤テスト(単体・結合・システム・受入)

作成したシステムが設計どおりに動くかを確認する工程です。テストには段階があります。

テスト種別確認する内容
単体テスト個々の機能・部品が正しく動くか
結合テスト複数の機能を組み合わせたときに正しく連携するか
システムテストシステム全体として要件を満たしているか
受入テスト発注者(依頼側)が実際に使って問題ないか確認する

⑥リリース・運用・保守

テストが完了したシステムを本番環境に公開(リリース)します。リリース後も、不具合の修正・機能追加・サーバー管理などの「運用・保守」が継続的に必要です。システムは作って終わりではなく、使い続けるための体制づくりが重要です。

上流工程・下流工程とV字モデル

開発の現場では、要件定義・設計といった前半の工程を「上流工程」、実装・テストといった後半の工程を「下流工程」と呼びます。また、設計工程とテスト工程の対応関係をVの字型に整理した「V字モデル」という考え方があり、「基本設計の内容はシステムテストで、詳細設計の内容は結合テストで確認する」というように、各テストがどの設計を検証するのかを明確にできます。

上流工程(決める)対応するテスト(確かめる)
要件定義受入テスト
基本設計(外部設計)システムテスト
詳細設計(内部設計)結合テスト
実装(コーディング)単体テスト

上流工程での決定が曖昧なまま下流工程へ進むと、手戻りのコストが大きくなります。発注者として最も深く関与すべきは上流工程、特に要件定義です。

開発工程の略語(RD・BD・UTなど)

開発会社の見積書やスケジュール表では、工程がアルファベットの略語で書かれることがよくあります。代表的な略語を知っておくと、ドキュメントを読み解きやすくなります。

略語英語工程
RDRequirements Definition要件定義
BD / EDBasic Design / External Design基本設計(外部設計)
DD / IDDetail Design / Internal Design詳細設計(内部設計)
PG / CDProgramming / Coding実装(コーディング)
UTUnit Test単体テスト
ITIntegration Test結合テスト
STSystem Testシステムテスト
UATUser Acceptance Test受入テスト

略語の表記は会社や現場によって多少異なるため、見積書に登場したら「どの工程を指すか」を最初の打ち合わせで確認しておくと安心です。

開発期間の目安

開発期間は規模と要件の複雑さで大きく変わりますが、一般的な目安は次のとおりです。

規模期間の目安
小規模1〜3か月単機能のWebシステム、小さな業務ツール
中規模3〜6か月複数部門で使う業務システム
大規模1年以上基幹システムの刷新、大規模サービス

あくまで目安であり、要件定義に想定以上の時間がかかるケースも珍しくありません。納期から逆算する場合は、早めに開発会社へ相談して現実的なスケジュールを確認しましょう。

工程別の期間・費用配分の目安(発注側が知っておくべき比率)

「期間6か月」と言われたとき、その6か月がどう配分されるのかを知っておくと、見積書と進捗報告の妥当性を自分で確かめられます。受託開発の現場で一般的なウォーターフォール型の配分は、おおむね次のとおりです。

工程期間配分の目安費用配分の目安発注側の関与度
企画・要件定義20〜25%15〜20%★★★ 最も高い(決めるのは発注側)
基本設計・詳細設計20〜25%20〜25%★★ レビューと承認
実装(コーディング)25〜30%30〜35%★ 定例での進捗確認
テスト20〜25%20〜25%★★ 受入テストは発注側の仕事
リリース・移行5〜10%5%★★ 切替判断は発注側

この表から発注側が読み取るべきことは3つあります。

  1. 実装は全体の3割程度でしかない。 「開発6か月」のうちコードを書いている期間は2か月弱で、残りは決める・確かめる工程である。実装だけを外注して前後を軽視すると、よくある失敗パターンの大半(要件の曖昧さ・テスト軽視)を踏む。
  2. 発注側の関与が最も重いのは最初と最後。 要件定義と受入テストは発注側が主役の工程であり、ここに社内の時間を確保できないなら、開発期間全体が延びる。
  3. 見積書の工程別金額がこの比率から大きく外れていたら、理由を聞く。 たとえばテストが5%しかない見積もりは、品質確認を発注側に丸投げする前提かもしれない。

この配分はウォーターフォール型の目安であり、アジャイル型では工程が反復に溶けるため単純比較はできません(後述の「代表的なシステム開発手法の比較」を参照)。


代表的なシステム開発手法の比較

a group of people sitting around a table with laptops

Photo by Lyubomyr Reverchuk on Unsplash

開発をどのような進め方で行うかを「開発手法」と呼びます。代表的な手法を理解しておくと、外注先との会話で迷いにくくなります。

ウォーターフォール開発

要件定義→設計→実装→テスト→リリースという工程を順番に進め、原則として前の工程に戻らない手法です。工程ごとに成果物(ドキュメント)が明確になるため、進捗管理がしやすいのが特徴です。

アジャイル開発

短い期間(スプリントと呼ばれる1〜4週間程度のサイクル)で設計・実装・テストを繰り返し、少しずつ機能を追加していく手法です。変化する要件に柔軟に対応できる反面、全体のスコープ(範囲)や費用が変動しやすい面もあります。

ウォーターフォールとアジャイルの比較表

比較項目ウォーターフォールアジャイル
進め方工程を順番に一方向へ進める短いサイクルを繰り返す
要件変更への対応対応しにくい対応しやすい
進捗の見える化しやすい慣れが必要
向いているプロジェクト要件が最初から明確・大規模要件が変わりやすい・スピード重視
コスト見積もり立てやすい変動しやすい

スパイラル開発・プロトタイプ開発

スパイラル開発は、システムを小さな単位に分割し、各単位でウォーターフォール的な工程を繰り返す手法です。リスクを早期に発見しやすい特徴があります。

プロトタイプ開発は、最初に試作品(プロトタイプ)を作ってユーザーに確認してもらい、フィードバックをもとに本開発を進める手法です。「作ってみないとイメージが湧かない」という場合に有効です。


内製と外注、どちらでシステム開発を進めるべきか

システム開発の進め方には、自社のエンジニアで開発する「内製」と、外部の開発会社に依頼する「外注」の2つがあります。それぞれに向き不向きがあり、どちらが正解ということはありません。

比較項目内製外注
開発ノウハウ社内に蓄積される社外に依存しやすい
立ち上がりの速さ採用・育成に時間がかかる契約後すぐ着手できる
コスト構造固定費(人件費)中心変動費(プロジェクト単位)中心
仕様変更への対応柔軟に対応しやすい契約範囲の調整が必要
向いているケース継続的に改善し続ける自社サービス期間・要件が明確な業務システム

判断の軸は「そのシステムが自社の競争力の中核かどうか」です。中核であれば内製化の検討価値が高く、そうでなければ外注で早く確実に立ち上げるほうが合理的なケースが多いでしょう。内製化のメリット・デメリットや進め方はシステム開発の内製化の解説記事で詳しく整理しています。


システム開発の費用感をつかむ(相場の入り口)

システム開発の費用は「開発工数(人月)× 人月単価」で決まるのが基本です。人月とは「エンジニア1人が1か月働く作業量」を表す単位で、たとえば3人のエンジニアが4か月開発すると12人月になります。人月単価はエンジニアの職種やスキル、依頼先の会社規模によって幅があり、職種別の相場はシステム開発の人月単価の早見表つき解説記事にまとめています。

規模別のおおまかな費用の目安は次のとおりです。

規模費用の目安
小規模なWebシステム数十万円〜
中規模の業務システム数百万円〜

あくまで入り口の目安であり、実際の費用は機能数・使用技術・体制によって大きく変わります。費用の内訳や見積もりの妥当性を判断する方法は、システム開発の費用相場と内訳の徹底解説で詳しく解説しています。

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システム開発を外注する際のポイント

person holding pen near paper

Photo by Amélie Mourichon on Unsplash

自社でエンジニアを抱えていない場合、外部の開発会社に依頼するケースが多くあります。外注を成功させるための主なポイントを整理します。

要件を事前に整理しておく

「何を解決したいのか」「誰がどう使うのか」「いつまでに必要か」を依頼前にまとめておくと、見積もりの精度が上がり、認識のズレを防ぎやすくなります。完全な仕様書でなくても、箇条書きのメモで構いません。整理されていない状態で相談すると、要件定義フェーズの費用が膨らむことがあります。

費用・納期・保守体制を確認する

開発費用は、システムの規模・機能数・使用技術によって大きく異なります。一般的に、小規模なWebシステムで数十万円〜、中規模の業務システムで数百万円〜かかるとされています(あくまで目安であり、実際の費用は要件によって変わります)。また、リリース後の不具合対応や機能追加を誰が担うのかを契約前に確認しておくことが重要です。

開発会社の実績・得意領域を見極める

開発会社によって、得意な業種・技術・規模が異なります。依頼前に以下の点を確認しておくと判断しやすくなります。

  • 同業種・類似システムの開発実績があるか
  • 担当するエンジニアの体制(外部委託の有無など)
  • コミュニケーションの取りやすさ(レスポンス速度・窓口の明確さ)
  • 契約形態(請負契約か準委任契約か)

会社選定の具体的な手順やチェックポイントは、システム開発会社の選び方(失敗しない7つのポイント)で詳しく解説しています。


システム開発を成功させる3つのポイント

最後に、発注者の立場でシステム開発を成功に導くために押さえておきたいポイントを3つに絞って紹介します。

①要件定義に最も時間をかける

失敗プロジェクトの多くは、要件の曖昧さが原因で手戻りが発生しています。「何を作るか」「何を作らないか」を開発前に言語化することが、費用・納期・品質すべてに効きます。

②「任せきり」にしない

外注であっても、発注者側の関与は不可欠です。定例ミーティングへの参加、成果物の確認、仕様変更時の合意形成など、プロジェクトに主体的に関わる体制を社内に作りましょう。

③小さく始めて段階的に広げる

最初からすべての機能を盛り込むのではなく、まず中核となる機能に絞ってリリースし、実際の利用状況を見ながら拡張していくアプローチは、リスクとコストの両面で有効です。


システム開発に関するよくある質問(FAQ)

Q. システム開発を簡単に言うと何ですか?

A. 「業務の課題を解決するための仕組み(システム)を、計画して、作って、動かし続けること」です。プログラムを書く作業だけでなく、何を作るかを決める要件定義から、完成後の運用・保守までを含みます。

Q. システム開発にかかる費用の相場はどのくらいですか?

A. 規模や機能によって大きく異なります。一般的に、小規模なWebシステムは数十万円〜、中規模の業務システムは数百万円〜かかるとされています。正確な費用は要件定義後の見積もりで確認することをおすすめします。

Q. システム開発の期間はどのくらいかかりますか?

A. 小規模なシステムで1〜3か月、中規模では3〜6か月、大規模になると1年以上かかるケースもあります。要件の複雑さや開発体制によって変わるため、早めに開発会社へ相談して目安を確認しましょう。

Q. システム開発とプログラミングの違いは何ですか?

A. プログラミングは、システム開発の工程の一つである「実装」を指します。システム開発はその前後の要件定義・設計・テスト・運用まで含む全体のプロセスです。プログラミングは部分、システム開発は全体という関係です。

Q. 上流工程・下流工程とは何ですか?

A. 要件定義・設計など開発の前半を上流工程、実装・テストなど後半を下流工程と呼びます。上流工程での決定が曖昧だと下流工程での手戻りコストが大きくなるため、発注者は特に上流工程への関与が重要です。

Q. ウォーターフォール開発とアジャイル開発はどちらを選べばよいですか?

A. 要件が最初から明確で変更が少ない場合はウォーターフォール、要件が変わりやすくスピード感が必要な場合はアジャイルが向いているとされています。プロジェクトの性質を開発会社と相談しながら決めるのが現実的です。

Q. システム開発は内製と外注のどちらがよいですか?

A. そのシステムが自社の競争力の中核で、継続的に改善し続けるなら内製化の検討価値が高く、期間・要件が明確な業務システムなら外注のほうが早く確実なケースが多いです。ハイブリッド(一部内製・一部外注)という選択肢もあります。

Q. システム開発を外注する場合、どこに依頼すればよいですか?

A. 自社の課題・予算・業種に近い実績を持つ開発会社を探すのが基本です。複数社に相見積もりを取り、費用だけでなくコミュニケーションのしやすさや保守体制も比較することをおすすめします。

Q. 人月とは何ですか?

A. エンジニア1人が1か月働く作業量を表す単位です。システム開発の見積もりは「開発工数(人月)× 人月単価」で算出されることが一般的で、見積書を読むうえで基本となる概念です。

Q. 要件定義とは何ですか?なぜ重要なのですか?

A. 要件定義とは、システムに必要な機能・条件・制約を整理するフェーズです。ここで認識のズレが生じると後工程での手戻りが増え、コストや納期に影響します。開発の成否を左右する最重要工程の一つです。

Q. プログラミングの知識がなくてもシステム開発を依頼できますか?

A. はい、依頼できます。発注者に求められるのは技術知識よりも「何を解決したいか」を明確に伝える力です。開発会社が要件のヒアリングをサポートしてくれるケースが多いため、まずは相談してみましょう。

Q. システム開発の失敗を防ぐためにはどうすればよいですか?

A. 要件定義を丁寧に行う、定期的に進捗を確認する、変更が生じた際は都度合意を取るといった対応が有効です。発注者側も積極的に関与し、「任せきり」にしないことが失敗リスクを下げる上で重要です。


まとめ:まずは「何を解決したいか」の言語化から

システム開発の全体像を把握できたら、次のステップとして社内での課題整理や、開発会社への初回相談を検討してみてください。まずは「何を解決したいか」を言語化するだけでも、プロジェクトは大きく前進します。

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言語化の第一歩としては業務の棚卸しのやり方|DX前に必ずやるべき手順とテンプレート項目が実務的である。あわせて「言われた問題」を疑い、開発しない選択肢まで考えるDXの進め方も読んでおくと、開発すべきかどうかの判断そのものを検討できる。

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徐 聖博株式会社シンシア 代表取締役社長

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株式会社Atsumell様|サービスを止めずにデータ基盤を刷新したBPマッチングプラットフォームの開発事例

**約11ヶ月・のべ4名のリレーで、機能開発を止めることなく基盤の刷新を完了しました。** 参画時期の重なりは最大2〜3名で、メンバーは1ヶ月の短期集中から5ヶ月の継続稼働までさまざまです。それでも積み上げが効いたのは、**先に入ったメンバーが構造を残していたから**でした。2025年7月に導入された Repository 層の上で、半年後に別のメンバーが移行作業を進めています。認可条件はコード上の仕様コメントとして、スナップショット方式はアーキテクチャドキュメントとして残り、いずれも「引き継いだ人が読んで分かる」形になっています。 この期間に手掛けた業務機能は、協力会社のラベル分類機能、パートナー企業管理画面、CSV による一括招待とデータ出力、案件辞退フロー、ステータス変更通知メールなど多岐にわたります。基盤刷新と機能開発は、どちらかを止めて行ったものではありません。 > 大規模な基盤刷新は「一度止めて作り直す」以外にも方法があります。呼び出し側を壊さない層を挟み、テーブル単位で少しずつ移し、移行と改善を混ぜない。この3つを守れば、リリースを止めずに土台は入れ替えられます。事業を止められないプロダクトほど、この進め方の価値が出ます。 ### この事例からの示唆 **稼働中のサービスでも基盤は入れ替えられる。** 前提は、呼び出し側の契約(戻り値の形)を保つ中間層を挟むこと、移行単位をテーブルや画面まで小さく割ること、そして移行と機能改善を同じコミットに混ぜないことの3点です。この3つが崩れると、不具合が出たときに原因が移行なのか改善なのか切り分けられなくなり、結果として一度止めるしかなくなります。 **メンバーが入れ替わる前提の体制では、成果物より「残る構造」が価値になる。** 短期参画のエンジニアを増やしても積み上がらないプロジェクトは、設計判断が個人の記憶に閉じていることが原因であるケースが多いです。この事例では、認可条件をコード上の仕様コメントとして、データ設計をアーキテクチャドキュメントとして残す運用を徹底しました。開発体制の失敗パターンについては[システム開発の失敗から立て直す方法](https://blog.xincere.jp/articles/system-development-failure-patterns)でも整理しています。 **要件が固まりきらない領域ほど、データ設計で制約を表現する。** 「協力会社が人材情報を編集したら応募内容が変わってしまう」といった問題は、運用ルールやUIの注意書きでは再発します。スキーマとトリガーで表現すれば、アプリ側の実装漏れがあっても壊れません。要件を仕様に落とす工程そのものについては[要件定義の進め方](https://blog.xincere.jp/articles/requirements-definition-process)を参照してください。 ### よくある質問 **Q. 稼働中のサービスを止めずに基盤刷新はできますか。** A. できます。この事例では約11ヶ月にわたり、機能リリースを継続しながらデータアクセス基盤の移行と主キー変更まで実施しました。ただし「一斉に切り替える」やり方では現実的に困難で、呼び出し側を壊さない中間層を用意して段階移行する設計が前提になります。 **Q. 途中でメンバーが入れ替わる体制でも品質は保てますか。** A. 設計判断がドキュメントとコードに残っていれば保てます。この事例では参画時期の重なりが最大2〜3名、1ヶ月だけの参画者もいる体制で、前任の導入した層の上に後任が半年後の移行作業を積み上げています。 **Q. どのくらいの規模・期間の支援ですか。** A. 約11ヶ月、のべ4名(同時稼働は最大2〜3名)です。プロジェクトの規模や費用感の考え方は[システム開発とは](https://blog.xincere.jp/articles/what-is-system-development)で解説しています。 ### 関連する支援領域 - [システム刷新の進め方|検討・計画から移行までの方法](https://blog.xincere.jp/articles/core-system-renewal-guide) — 稼働中システムを止めずに刷新する判断基準 - [業務システム開発の要件定義とは?進め方・手順を7ステップで解説](https://blog.xincere.jp/articles/business-system-development-requirements-definition-steps) — 要件を仕様に落とす工程 - [システム開発の失敗から立て直す方法](https://blog.xincere.jp/articles/system-development-failure-patterns) — 体制・引き継ぎで詰まったときの選択肢 同じように「稼働を止められないプロダクトの基盤を作り替えたい」という課題をお持ちでしたら、[開発のご相談](https://blog.xincere.jp/contacts)からお問い合わせください。現状のコードとデータ構造を確認したうえで、段階移行の設計からご一緒します。

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著者について

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徐 聖博
株式会社シンシア 代表取締役社長

株式会社シンシア(Xincere, Inc.)代表取締役。中国生まれ・3歳から日本で育ち、日本語・中国語・英語を操るトリリンガル。大学院でコンピュータサイエンス(進化型ニューラルネットワーク)を研究し、GREE・メドレー・カウンティア・Indeed Japan などで検索エンジン開発やスタートアップの立ち上げ・グロースを経験。2020年に「人の価値をテクノロジーで最大化する」という想いでシンシアを創業した。エンジニア歴15年以上、代表でありながらほぼ毎日コードを書く現役エンジニアとして、基幹システム開発からAIエージェント活用まで顧客の事業成長に並走している。創業に込めた思いはnoteの創業ストーリーに綴っている。

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